新カナメ物語 14 まんちゃん

三橋先生 おはようございます。(関係者挨拶)
あっ 村谷さん おはようございます。普段 馬場には来ないのに珍しいですね。
はい やっぱり あの子が気になって 言われたとおり 五分の仕上げでホントに良かったのかなって ……
大丈夫ですよ このクラス(2勝)にいる馬じゃないけど 今回はただ無事に回ってきてくれる(調整)だけで 充分 です
から。
ほら 出て来ましたよ。
わ~ 出て来た ママ あれが カナメだよ カナメ~ カナメ~
伸一は 目一杯の声を上げた
隣にいた 母親 並び 幼稚園の先生は 聞いた事もない 大声に ビックリしたのであった。
見てる ママ
見てるわよ 何か 大きくて 格好良くて おでこに ハートマークが付いてて 可愛い お馬さんね
うん カナメ は かっこいいんだ ぼく だいすき
普段は 笑顔さえ見せない息子に将来を不安視(引きこもり)していた が 彼の満面の笑みを見て 来て良かった って思う母親であった

豊さんの言ったとおり 何んなの?この子の乗りごこち 安定してるし リズミカルだし 乗れば わかるって
ホントだわ この子は 一流馬って
「ファンファーレ ♪」
各馬ゲートに入りました。 そして
最後は 16番カナメ です
ようよう 姉ちゃん(お隣りさんの馬) 終わったら お茶しばきに行かへん?
ガシャ スタートしました 16番カナメ 大きく 出遅れました
もう カナメくん よそ見してるから
何や あの女(牝馬) ツンツンして からに
スタンドでは
カナメ 出遅れたぁ ~ 悲鳴とも ため息とも取れる 声で騒然となった
ママ カナメ どこ?
一番 後ろよ
えっ! あのはなれてる おうまさん?
そうね 遅れたみたいね
カナメ~ 頑張れ~ カナメ~
チビッ子たちの 黄色い声援が 場内に鳴り響く

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