
ねぇ ヨシ君… 寝た?
何だ フケた(発情)か?
ば~か 違うわよ。
あの子が、うちに来てから、変わったよね。 最初はまた、貧乏馬を引いたって思っちゃった。 走らないし…
持ち回り役員会後の付き合いで行った、銀座(倶楽部アン)のお店に神様がいたんだよ。
神様?
㊦オーナーと まんちゃん と 隊長だよ。
隣席で 競馬の話をされてたから、思わず声を掛けたら、仲良くなって…ゆくゆくは、あの子を預かる事になってさ。
覚えてるかい…馬運車から 出てきたときの カナメの第1声…
覚えてるわよ。『おばはん… 乳ちっちゃいな』 でしょ。
あは、そうそう。 あのふてぶてしい、物怖じしない神経、もしかして 本物?かもって 思ったよ。 確かに 毛並みは 生え揃ってなく、見てくれ悪いし これじゃあ 売れ残るよなって感じだったけどね。
汚い色だったよね。皮膚病かと思ったわ。
入厩の際、有留先生(獣医)に 検査して貰ったら… 『十年に 1頭の 名馬 になるかも知れませんよ』って…
嘘だろ? って思ったね。そして クラッシック登録しておいた方がいいねって。
㊦オーナーに話したら、笑われるかなって… そしたら 翌日『せんせ あの子 クラッシック登録しましたんで、大事に育てて下さいね』って、電話きたから、びっくりしたよ。
後でわかったけど… 有留先生と まんちゃん達は、友人だったらしいからね。
どこで 誰が つながってるか わからないわね。
それが 『縁』 なんのかな。
そうね。… じゃあ 寝ましょうか
たまには、うちらも『つながり』ますか?
ちょとぉ~ 何 馬っけ! だしてんの。
そして夜…は 更けていった。… 交配…