カナメ物語 30R

ねぇ ヨシ君… 寝た?

何だ フケた(発情)か?

ば~か 違うわよ。

あの子が、うちに来てから、変わったよね。 最初はまた、貧乏馬を引いたって思っちゃった。 走らないし…

持ち回り役員会後の付き合いで行った、銀座(倶楽部アン)のお店に神様がいたんだよ。

神様?

㊦オーナーと まんちゃん と 隊長だよ。
隣席で 競馬の話をされてたから、思わず声を掛けたら、仲良くなって…ゆくゆくは、あの子を預かる事になってさ。

覚えてるかい…馬運車から 出てきたときの カナメの第1声…

覚えてるわよ。『おばはん… 乳ちっちゃいな』 でしょ。

あは、そうそう。 あのふてぶてしい、物怖じしない神経、もしかして 本物?かもって 思ったよ。 確かに 毛並みは 生え揃ってなく、見てくれ悪いし これじゃあ 売れ残るよなって感じだったけどね。

汚い色だったよね。皮膚病かと思ったわ。

入厩の際、有留先生(獣医)に 検査して貰ったら… 『十年に 1頭の 名馬 になるかも知れませんよ』って…

嘘だろ? って思ったね。そして クラッシック登録しておいた方がいいねって。

㊦オーナーに話したら、笑われるかなって… そしたら 翌日『せんせ あの子 クラッシック登録しましたんで、大事に育てて下さいね』って、電話きたから、びっくりしたよ。

後でわかったけど… 有留先生と まんちゃん達は、友人だったらしいからね。

どこで 誰が つながってるか わからないわね。

それが 『縁』 なんのかな。

そうね。… じゃあ 寝ましょうか

たまには、うちらも『つながり』ますか?

ちょとぉ~ 何 馬っけ! だしてんの。

そして夜…は 更けていった。… 交配…

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