先生 カナメは一体どうしたのでしょうか?
はは… ただ寝てただけですよ
はぁ~? 寝てた?
聴診器での心音は、平常でした。あれだけの激走後なのに…彼は、G1馬達に共通する心肺機能の持ち主だと思います。距離が伸びても、大丈夫。ダービー(東京2400m)に出してあげたいですね。
おひげのおっちゃん オハヨー、オカンもオトーも オハヨー。
オハヨーじゃないよ、アホ 伊橋厩務員は涙をふき、頭を小突いた。
カナメ君 みんな心配してるから帰るよ、ほらっ 立って…
おや? カナメが立ち上がりました。心配して見ていた競馬ファンから、歓声と熱い拍手が湧き起こった。
トコトコ 歩きながら ウィナーズサークルまで来ると、『カ~ナ~メ~ カ~ナ~メ~』特別戦でも、G1でもない平場のレースに、大合唱が送られた…。
ちなみに当日 行われたG1朝日杯フィーチャリティSの勝ち馬は、アジアエクスプレス 1.34.7 ベース配分 斤量 は違えど充分に戦える素材であると、関係者は確信したのであった。