2004年 JRA50周年の競馬

2004年 JRA50周年の競馬

2004年のJRAの競馬を振り返る以前に2003年の全容を述べなければならない。
2003年の競馬は社台グループ一辺倒の何の変哲も無い魅力に乏しい競馬に終始した。
社台グループが主役を常に演じ、他は全て脇役的な存在であった。
JRAのプロデューサーは社台と何かあるのでは?と中傷するやからもいた。

社台グループが主役(タイトルロール)となった様々な理由がある。
A)社台グループの花形種牡馬サンデーサイレンスの優秀性にある。同馬の血統構成は種牡馬として現代の生産に適合する重大な要素を持ち、生まれている。

A-I)父のHello 1969 が満16歳時の交配による0遺伝である。 その為種牡馬として遺伝に関わる7世代目の先祖が非常に少ない。7世代目には64の牡馬の先祖がある。それを同馬は8先祖を残し他の先祖は全て0または0化され56の先祖は消えている。その為産駒達は他の通常の遺伝と異なり、より少ない先祖を遺伝され戻し交配(Buck Cross8代目の先祖の数が少なければ少ないほど純粋に近い)に近い遺伝を受けているチャンスは多い。
父が0遺伝という種牡馬には歴代の名種牡馬が非常に多い。 St.Simon1881 Gain-sborough 1915vvTurn to1951 Mr.Prospectorなどは0遺伝の名種牡馬である。

A-Ⅱ)サンデーサイレンスの母の父 Understanding および祖母の父Montparnasseの両馬ともにサンデーサイレンス以外に血統上存在しない先祖であり、真にプレタポルテであって直仔には強力な闘争本能を遺伝する。それがサンデーサイレンスのハウワーである。元来、同馬のようにトップの競馬歴の種牡馬からは強い馬は生まれない。
しかし、同馬やシンザン母の父ハヤタケ シアトルスルーの父Bold Reasoning母の父Poker等はアテ馬兼用馬であったため三冠馬でありながらチャンピオンサイヤーになっている。真にアテ馬は強いのである。サンデーサイレンスの2世種牡には上記の優秀な要因は遺伝されない、全く別物である。

A-Ⅲ)サンデーサイレンスは血統の中にNorthern Dancerの血を持っていない。
現在のサラブレッドは20世紀後半の巨星として君臨したNorthern Dancerの血が過剰なる繁栄により種牡馬や繁殖牝馬の血の中に侵入し、それぞれの90%はNorthern Dancer保有馬である。その為、連産した場合は種牡馬を変えてもNorthern Dancerのクロスとなり確実に畸形出産の要因となる。
初子や空胎後の仔には強度の近親交配を施しても正常な遺伝で生まれてくるが、連産となると特に危険な交配である。その場合の交配合はは確実に畸形となって現れる。外見で判断できなくても脳に障害を持って生まれ(白痴)、内臓の畸形も多い。それらの馬では競走馬として不適合である。サンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムたちは連産となっても以上の点を避ける確率は高い。それゆえに上位にランクされる種牡馬である。

B)社台グループと他の牧場とでは飼料の内容が全く異なっている。
サラブレッドは、生まれてから競走に出走するまでの時間はいずれの馬の2年であり多少の差はあっても2・3ヶ月である。競走年齢に達するまでの間に如何にして充実した飼養をするかである。その点において社台グループの生産馬は特に研究され充実した飼養(Feeding)で育てられている。その点が他の生産者と大きく水を開けた要因でもある。
昨今ではエン麦の味も知らずに育ってきた馬も少なくない産地の経済状況である(本当の話である)
お茶漬けや重湯とステーキの差は非常に大きな差となって現われている。
極く普通の飼養で育てられた馬であっても3歳の秋頃になると遅れも追いついてくる(EX ヒシミラクル オペラシチーメイショウサライ)

以上が社台一辺倒になった理由である。

さて、2004年の新春JRA50周年記念と銘打ったメモリアルイヤーは開幕された。
2004年の競馬は社台グループ一辺倒からラフィアン・コスモの岡田グループが台頭し、社台グループに待ったをかけた。
両者の対決という形へと変化が現われた。岡田グループの台頭は見事であった。岡田繁幸氏は主に当歳離乳で購入し後は自分の手で育て上げる。Feedingも充実しており、社台との差を縮めた。
又、岡田氏の馬の購買を見ると何か血統へのポリシーを感じる。

1.同系交配は原則的に買っていない。
2.繁殖牝馬の父、母の父等の先祖が異父系の血であり、Northern Dancerの血を持っていない。
3.初仔、空胎(特に高齢の繁殖)の仔を買っている。

コスモバルク、コスモサンビーム、アイネスレコルト(0交配)などの母はNorthern Dancerの血を保有していない。
実に理に叶った血統構成の馬を買って競走馬に育て上げている。
JRA発足以前の小岩井農場と下総御料牧場の対決を少々感じた2004年のJRAの縮図であった。

2004年は珍しく2頭ものサンデーサイレンス参駒の牡馬がGⅠを制した。
サンデーサイレンス参駒は、古馬になると闘争本能が極度に低下する。故にトップクラスのレース(GⅠ)に勝つ事は稀である。
サンデーサイレンスは年間200頭もの産駒を得る多産の種牡馬であった。その産駒たちも古馬となると、男性ホルモン(テステステロン)の分泌が盛んになると数の多い産駒は闘争本能が低下して、勝つという気が無くなる。
闘争本能の少ないサンデーサイレンスの牡駒がGⅠを勝つには決まったパターンがある。
2004年の勝馬は、デュランダル(マイルチャンピオンシップ)、ゼンノロブロイ(天皇賞秋 JC)←(有馬記念直前の段階)の2頭である。デュランダルはGⅠ3勝である。

1) スプリンターズS   2着 ビリーヴ
2) マイルcs      2着 ファインモーション
3) マイルcs      2着 ダンスインザムード

全て決勝戦手前で先頭の牝馬が2着、ゼンノロブロイはGⅠ2勝(2004年)同馬は2003年9月から天皇賞の前まで入着のみの1年未勝利という勝てない古馬であった。

1)天皇賞秋  2着 ダンスインザムード  3着アドマイヤグルーヴ

これもまた2着は牝馬であった。元来男は女に対しいいところを見せたがるが、馬も同じであるのか?

2)JC  2着 コスモバルク  3着デルタブルース

ともに3歳馬、出走中古馬のサンデーサイレンス産駒は1頭、他は3歳のハーツクライ、ハイヤーゲームの2頭という全く稀に見るパターンのレースであった。 尚、同馬は3歳馬とは初対戦であった。

2004年のグランプリ有馬記念GⅠは、サンデーサイレンス6~7頭 2世が4頭、他の父系5頭のレース構成になろう。
天皇賞・JCともに岡部 幸雄騎手の名ペース配分のリードで導いて勝ちに結びついていた。
2004年有馬記念を如何にして勝つのか藤沢陣営の知恵の見せ所である。
大方の見方はゼンノロブロイの勝利で、2億円のボーナスは間違いないと思われている。
馬の持つ闘争本能や習性から判断するならば、タップダンスシチー(リボー系出走1頭)アドマイヤドン(Mr.Prospector系出走1頭)
コスモバルク(Northern Dancer系出走2頭) 3歳のデルタブルース(ダンスインザダーク出走3頭。ダンスインザダークの産駒は1頭の場合のみ勝利している。2頭以上の場合は入着までである。
以上の馬たちの勝負になることがノーマルである。

2005年はサンデーサイレンス一辺倒ではなく、様々な血の戦いになることを望む。これは、売上アップにも連なる。
サンデーサイレンス参駒がデビュー以来売上は減少の一途をたどっている。
サンデーサイレンスは売上減少の立役者では困る。マイネルレコルト、父チーフベアハートの0遺伝で先祖の数は少ない。
その上、Hyperion系 Ribot系(0交配) Blandford系と4世代が全て異なった父系の構成であり超大物の遺伝である。
運がよければダービーも夢ではない。

よい年を迎えてください。

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